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平成20年3月博士課程学位論文発表会

1月7日(水)   会場: 原子炉工学研究所 北2号館 6階会議室

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発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
10:00-12:00 Rivai Abu Khalid 高橋  実 Studies on Materials Corrosion and Oxygen Sensors at High Temperature and Core Neutronics for Lead Alloy-Cooled Fast Reactor
The deployment of the lead alloy-cooled fast reactors (LFRs) depends strongly on the development of materials. In order to solve the critical issues of LFRs, materials corrosion and oxygen sensors tests at high temperature lead alloy, and core neutronics for lead alloy-cooled fast reactors were carried out. In the corrosion test, alloy-sputtering-coated steels which were coated using unbalanced magnetron sputtering technique, high chromium steels, refractory metals, and ceramics have been tested in high temperature lead-bismuth eutectic (LBE) and lead at 700oC, and in LBE under transient temperature up to 800oC. The results showed that Al-Fe-sputtering coated steels, molybdenum, tungsten, SiC, and Ti3SiC2 exhibit high corrosion resistance to high temperature lead alloy. On the other hand, high chromium steels are not compatible with high temperature lead alloy and the physical performance of the SiC/SiC composite must be improved. In the oxygen sensors test, the zirconia solid electrolyte oxygen sensor is reliable to measure the oxygen concentrations in high temperature lead alloy. In the core neutronics, lead-cooled small fast reactors with SiC as cladding and structure had good neutronic performance. Based on the present studies it was found that Al-Fe-sputtering coated steels, molybdenum, tungsten, SiC and Ti3SiC2 could be promising for cladding materials, and zirconia solid electrolyte type for oxygen sensor for the lead alloy-cooled fast reactor.

 

1月7日(水)   会場: 原子炉工学研究所 北2号館 6階会議室

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発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
13:00-15:00 澤部 孝史 矢野 豊彦 炭化ケイ素及びスピネルの中性子照射欠陥の実験的・理論的研究
本研究では、核融合炉の構造材及び機能材として有望なセラミックスである炭化ケイ素及びスピネルに中性子照射を行い、炭化ケイ素においては微構造観察と格子定数測定により、またスピネルにおいては微構造観察と陽イオン配置の測定により、照射欠陥の導入による結晶構造の変化を評価し、さらに等時アニール試験から、これらの回復挙動を明らかにした。
次いで、炭化ケイ素及びスピネルの点欠陥モデルの第一原理計算から、点欠陥の安定性及び測定した物理量への影響を検討した。測定結果と計算結果を比較することにより、試料に導入された欠陥種の同定を行い、照射条件が欠陥形成に及ぼす影響並びにアニール時の欠陥の回復機構を検討した。

 

1月7日(水)   会場: 原子炉工学研究所 北原子炉工学研究所 北1号館1階会議室

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発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
13:00-15:00 伊藤  卓 服部 俊幸 服部 俊幸
医療、工業分野等で加速器の応用が急速に進み、より多くの施設への加速器システムの導入が期待されている。しかし、そのシステムの規模は導入する施設への大きな負担となる。本研究は加速器システムの小規模化を目指しRFQ加速構造およびドリフトチューブ加速構造の電極を、電力効率の良い一台のインターディジタルH型空洞共振器内に統合した複合加速構造単空洞(Hybrid Single Cavity; HSC)を提案した。本研究では、加速器内に思想的な加速電場を得るための調整法の三次元高周波電場シミュレーションによる確率、加速器内の各セッションにおける加速電極の設計および基本モデルによる加速電場の測定値との検討を行い、この複雑な内部構造を持つ線形加速器の実現が可能であることを明らかにした。

 

1月7日(水)   会場: 原子炉工学研究所 北2号館 6階会議室

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発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
15:00-17:00 山崎 宰春 矢野 豊彦 炭化ケイ素及びケイ素の中性子照射損傷とその回復過程の研究
核融合炉の第一壁材として期待される炭化ケイ素は、金属材料と比べて、中性子照射による誘導放射能が少なく、また炉の高温運転を可能にする有望な材料である。しかしながら、その中性子照射欠陥及びその挙動は複雑であり、まだ十分に解明されていない。
本研究では、高中性子を照射した炭化ケイ素及び結晶構造の類似しているケイ素を、低温から順次昇温して長時間の等時及び等温アニールを施し、巨視的寸法と熱拡散率及び格子定数の変化を測定した。それらの結果を解析することにより、炭化ケイ素及びケイ素中に導入された欠陥の濃度及びその易動度などの温度依存性、及び加熱時間依存性などの速度論的特性を明らかにした。

 

1月7日(水)   会場: 原子炉工学研究所 北2号館 6階会議室

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発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
18:00-20:00 西野宮 卓 小栗 慶之 衝撃波生成解離水素標的中の低速重イオンビームのエネルギー損失測定実験
重イオンビームの標的内エネルギー付与分布に見られるブラッグピークの位置や高さは、標的の状態で変化するが、分子標的が原子に解離した場合の実験データは存在しない。そこで本研究では相対的に価電子数が多く、解離の効果が大きいと期待される水素標的に着目した。まず、水素原子標的中の低速重イオンの阻止断面積に関する理論計算を行い、要求される標的の密度、温度、厚さ等の最適化設計を行った。この結果をもとに、解離標的生成用の衝撃波管と専用の差動排気系を開発した。この解離水素標的にパルスビームを入射し、半導体検出器で単一イオンのエネルギー損失を直接測定する手法により阻止断面積を求めた。計算結果の示す通り、解離水素標的中の阻止断面積が常温水素分子標的に比べ増大することが判明した。

 

1月8日(木)   会場: 原子炉工学研究所 原子炉工学研究所 北1号館1階会議室

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発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
10:00-12:00 永田 章人 関本 博 CANDLE高速炉の燃料サイクルに関する研究
CANDLE燃料方式を適応した高速炉では、利点として長期運転が可能なことと高燃焼の達成が挙げられる。しかしながら、実際の運転を考えた際に長期運転での中性子照射量増加による燃料被覆管の健全性と、高燃焼からくるFPガスの増加による燃料ピン内圧の増加が問題となる。その解決方法として簡易再処理の導入を考えた。運転サイクルでの炉内燃料管理を従来の方法から新たに変更することで、炉特性の向上を目指した。これらの要素を踏まえた運転サイクル解析を行うことにより、燃料被覆管の問題を解決することができ、さらに炉心高さの短尺化と臨界性の向上が確認できた。

 

1月8日(木)   会場: 原子炉工学研究所 北2号館 6階会議室

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発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
10:00-12:00 渡邉 紀志 有冨 正憲 将来型軽水炉の成立性に関する熱的諸現象の研究
将来型軽水炉として有望視されている低減速自然循環沸騰水型炉(RMWR)および超臨界圧水冷却炉(SCWR)の概念の成立性を評価する上で、十分に解明されていない熱的諸現象がある。本論文では、RMWRに関しては、起動時に発生する可能性のある不安定流動を取り上げ、その発生機構を熱水力学、非線形力学の両観点より明らかにし、最適な起動手順と合理的な炉心構造を提案している。SCWRに関しては、起動時(亜臨界圧から超臨界圧へ昇圧、昇温過程)と過渡減圧事故時(超臨界圧から亜臨界圧へ減圧する際)の臨界点近傍における伝熱劣化現象について着目し、それらの伝熱特性を解明している。

 

1月8日(木)   会場: 原子炉工学研究所 北2号館 6階会議室

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発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
13:00-15:00 白井 敦史 池田 泰久 Raman分光法及び多核NMRによるLi(I)のイオン液体中での溶媒和構造及び反応性に関する研究
グリーンソルベントとして注目されているイオン液体は、その応用に関する研究こそ多くなされているが、反応媒体等として利用するための金属イオンの溶媒和構造及び反応性に関する研究は少ない。そこで、本研究では、Li(I)のイオン液体中での溶媒和構造を明らかにするためにRamanスペクトルを、またLi(I)のイオン液体中での反応性としてLi(I)のcryptand C211との錯形成反応を7Li NMRスペクトルを解析することにより研究した。その結果、イオン液体中での錯形成反応は、非水溶媒中とは異なるbimolecualr機構で進むことがわかった。この非水溶媒中との相違を、ラマン分光法の結果と比較することにより、フリーのLi(I)の化学形態、つまりLi(I)の溶媒和構造の相違に起因していることを明らかにした。

 

1月8日(木)   会場: 原子炉工学研究所 北2号館 6階会議室

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発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
15:00-17:00 川久保 政洋 有冨 正憲 不凝縮性ガスを含む蒸気の凝縮熱伝達に関する研究
軽水炉を対象とした新たな受動的格納容器冷却システム(PCCS)を提案し、不凝縮性ガスを含む蒸気の凝縮熱伝達特性を評価することが本論文の目的である。格納容器内では事故の進展に伴い、温度、圧力、空気濃度が変化するため、垂直円管外表面における凝縮熱伝達率を計測し、各要素が凝縮熱伝達に与える影響を実験により評価した。また、過去に提案された凝縮熱伝達率に関する実験式と実験結果を比較し、垂直伝熱管型PCCSに適用可能な実験式を提唱した。伝熱管上部において滴状凝縮が確認されたため、画像処理計測を用いて空気濃度、雰囲気圧力が凝縮液滴に与える影響を評価し、空気を含む水蒸気の滴状凝縮熱伝達特性を解明し、その相関式を提唱した。

 

1月8日(木)   会場: 原子炉工学研究所 北2号館 6階会議室

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発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
17:00-19:00 深沢 正憲 齊藤正樹 Study on Inverse Stratification and in-Vessel Retention of Molten Core Material
(炉心溶融物の逆成層化と圧力容器内保持に関する研究)
コリウム(炉心構成物質)に係わるU-Zr-Fe-O-B-C-FPs系熱力学データベースを構築し、これを用いた熱力学平衡計算により、OECD MASCA試験で明らかとなった炉心溶融物の逆成層化現象(金属層が酸化物層の下に成層化する現象)を定量的に解析した。これに加え、上記熱力学解析により得られる成層化状態を境界条件として用いて、圧力容器下部ヘッド内炉心溶融物の伝熱流動を解析する手法も構築し、成層化から伝熱流動までの一貫したIVR(シビリアアクシデント時の外面冷却による炉心溶融物の圧力容器内保持手法)成立性評価が可能となった。
また、同データベースを用いた解析により、コリウム物性等に対するB4Cの影響を定量化した。その中で、圧力容器とコリウムの共晶温度はB4Cにより200K程度低下するもののIVR成立性基準への影響はないことがわかった。