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論文博士・22条適用者 論文発表会

平成27年1月5日(月) 会場: 原子炉工学研究所 北1号館1階会議室

開始時刻/
終了時刻
発表者氏名 指導教員 論  文  題  目
15:00
11:00

馬野 琢也
(22条適用)

小原 徹 軽水炉格子体系への最良代表性因子法の適用に関する研究
現在、商業用発電炉として世界中で使用されている原子炉は軽水炉(沸騰水型原子炉 BWR、加圧水型原子炉 PWR)である。軽水炉では核燃料は燃料集合体という単位で取り扱う。軽水炉の設計や運用は高度のコンピュータシミュレーションによって実施される。この場合、軽水炉の燃料集合体の核分裂反応に関する計算を扱う格子計算コード、格子計算コードで計算した数値をもとに炉心全体で核分裂反応と炉心内の熱収支と水の流れの計算を3次元的に行う炉心シミュレータの2段階構成の計算手法が現在最も広く行われている計算手法であり、ノード法と呼ばれている。

従って格子計算コードの性能(コード自体の計算手法、中性子と物質の反応を表した物理データである核データライブラリの品質)の確認と改良は軽水炉の経済性と安全性を高めるために有用かつ重要である。そして格子計算コードの性能の確認と改良には従来、臨界実験が利用されてきた。臨界実験とは臨界実験装置で実施される核分裂反応の定量的確認を目的とした実験であるが、これまでは格子計算コードの計算値と直接比較できる物理量(中性子無限増倍率)提示することができず、加えて臨界実験装置の制約上、燃料集合体を完全に模擬した実験は実施することができなかった。

本研究では着目する物理量の計算入力パラメータに関する感度係数(ベクトル)を用いて、線型代数の考え方に基づいて臨界実験と燃料集合体の類似度を定義できる代表性因子を定義し、その代表性因子を用いて導出される計算式(最良代表性因子法)から、(1) 複数の臨界実験を線型結合して目的とする体系(燃料集合体)に対する類似度を向上させ、(2) 臨界実験の計算値と測定値の相対差を用いて、燃料集合体の中性子無限増倍率を補正する手法を開発した。本手法によって臨界実験の測定値を格子計算コードの計算値と直接比較できる形に翻訳することができ、臨界実験を軽水炉の経済性と安全性を高めるために利用する理論的な橋渡しが可能となった。