CANDLE燃焼炉
濃縮ウランやプルトニウムを必要としない
簡単で安全な原子炉の開発
CANDLE燃焼法とは:
一般の原子炉では、最初に原子炉に入れていた制御棒を、原子炉燃料の燃焼に伴い、ゆっくりと外に取り出していく。これに対しCANDLE燃焼では、このような制御棒操作は必要としない。図1に示すように、燃焼に伴い燃焼領域は、核種や中性子束や出力の空間分布を変えることなく、軸方向に出力と比例した速さで移動していくという、まったく新しい燃焼法です。
図−1. CANDLE燃焼
CANDLE燃焼法のメリット:
1.簡単で安全
1.1.運転中に制御棒を間違って引き抜くような事故は起こりません。
1.2.出力分布が変化しないので、運転はとても簡単で、信頼性が高い。
1.3.新燃料は天然ウランか劣化ウランなので、輸送や貯蔵が安全で簡単。
2.核拡散抵抗性がとても高い
原爆製造の最も重要な技術である濃縮や再処理を必要としない。
3.燃料の有効利用ができる
天然ウランや劣化ウランを利用して、この40%を利用できる。
これは軽水炉の50倍の利用効率である。
40年間運転した軽水炉が残した劣化ウランで2000年もの間運転できる。
(図−2)
4.廃棄物の体積が少ない
軽水炉の10倍燃えるので、発生エネルギー当たりの廃棄物体積は1/10。
 図−2 軽水炉後のCANDLE燃焼炉利用シナリオ
ロードマップ:
CANDLE燃焼のメリットを活かし、COE-INESの目指す、持続性、安全、廃棄物、核拡散すべての課題を同時に解決する原子炉の実現を目指します。
(ロードマップ第 5 章 5.1.2 要旨)
(関本 博)
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