東京工業大学 21世紀COEプログラム 世界の持続的発展を支える革新的原子力
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計画内容について 目的・重要性
拠点形成計画
計画内容について
国内外の現状と動向:
革新型原子炉の開発や分離核変換技術研究等に関しては、近年になり米国では多くの研究が開始され特別の予算措置もなされるようになった。少数の大学及びいくつかの国立研究所がCOEの機能を果たそうとしている。同様に西欧でも複数の研究所が研究を始めているが、EUが取り纏めつつある。日本においてもこれに対応するものを用意し、国際的に研究を発展させることが重要である。これらの機関は日本での東工大のCOEとしての役割を期待している。
日本においては原子力委員会の下部委員会(本拠点リーダーも参加)でこれらの国としての研究計画が検討されているが、このような委員会ではCOEにはなりえない。サブテーマに関しては原子力学会にこれを扱う専門委員会が設置され、ここが世話機関の役割を果たしている。これらの委員会でも東工大のメンバーは重要な役割を演じている。
今まで原研やサイクル機構が日本の原子力のCOEの役割を果たしてきたが、これらの研究所は国の計画に従って研究しており、革新型原子炉や分離核変換技術といっても限られたものだけになり、多様性がない。今原子力で必要とされているのは、新しい多様な発想と技術の創生である。しかしこれらはばらばらな研究であってはならない。本調書で提案されているCOEにおいては整合性のとれた指導原理のもとに多様な革新的原子力の研究を行う。
最近になり国も革新的原子力システムに力を入れ始めた。本年度より文科省の革新的原子力システム技術開発公募技術開発テーマが公募されることとなった(東工大3件採択)。また原子力委員会より「革新的原子力システムの研究開発の今後の進め方について」が発行された(東工大から9件の革新型原子炉が採用)。


期待される研究成果とその学術的または社会的な意義・波及効果:
上に述べた国内外の新しい動きに対して、本申請によりCOE機能が更に強化され、世界のエネルギー戦略研究ネットワークの重要な拠点として、またアジアのリーダーとしての役割を果たす。核拡散・放射性廃棄物・安全の問題を総合的に解決でき世界の持続的発展を支える革新的原子力を提案し、未来のエネルギー環境問題に真に役立つ研究成果を出す。我々の提案したシステムの実現に向けて諸外国の研究機関と協力し、研究開発を進める。


拠点計画概要:
本拠点においては原子力を利用してエネルギー資源枯渇問題や地球環境問題を解決し世界の持続的発展を支えるため、原子力固有の問題:核拡散・放射性廃棄物・安全の総合的解決を図るべく (A) 革新型原子炉システム(利用システムを含む),(B) 高レベル廃棄物消滅を指向した革新的分離核変換システム の概念構築とそれに必要な基盤技術研究を行う。原子力は原子炉と燃料サイクルから構成される。本拠点ではこの2分野を全体として捉えながら、(A)と(B)のテーマでそれぞれの分野の最先端をリードしていく。
本拠点がカバーする学問分野は原子力学に含まれるが、原子力学は多くの分野が総合されたものになっている。本拠点ではそれらの多くの分野のうち、特に原子力固有の重要な分野に重点を置いて拠点形成を行う。具体的には核データ、炉物理、熱流動工学、核変換工学、核燃料再処理、材料科学、エネルギー変換工学、安全工学といった学問分野をカバーすることになる。但し革新型原子炉の概念構築においては原子炉というものを総体的にとらえることが重要である。これは要素的な学問にとらわれているとうまくいかない。研究者間の有機的組織化を図る。革新的分離核変換システム概念構築においても同様であるが、こちらはより基礎的な原理に戻って研究する。以上、多くの分野を挙げたが、原子力全体を見通す目を持つことが極めて重要であり、これを指針として研究教育の拠点活動を進めていく。

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