プログラム概要

Home > プログラム概要 > GP-ATOM リーダーからのご挨拶

▼ GP-ATOM リーダーからのご挨拶


GP-ATOM代表
齊藤正樹

 原子力科学技術は、エネルギー・セキュリティの観点のみならず地球環境問題の観点から、21世紀においては不可欠な科学技術です。先進国における原子力発電所建設計画のみならず、中国、インド、南アフリカを始め、アジアの各国や中東諸国等も 原子力発電所建設に参入し始めています。世界原子力協会(WNA)によれば、既存の原子力発電所439基に対して、建設中・計画中の原子力発電所は世界36カ国・地域で合計349基に達します。このように、世界的な原子力の平和利用が大きく促進される国際情勢(世界的な「原子力ルネッサンス」)を背景に、日本の原子力産業は、「グローバル産業」として、国境を超えた再編成・集約化が加速しています。

  しかし、日本のみならず、世界的に原子力関連研究者・技術者が十分確保できるのか? 発途上国等が原子力発電所を安全に運転・管理できる人材が十分確保できるか?等々、若手原子力科学技術者の不足が、世界的に深刻な問題となりつつあります。

  原子核工学専攻は、1957年の創立以来、伝統を大切にし、現在までに約1000名の卒業生を社会に送り出してきました。海外からの留学生も本原子核工学専攻の卒業生として約100名が各国で活躍しています。原子核工学専攻では、「高い専門知識のみならず、社会的責任の自覚、社会・国際コミュニケーション力を有する個性輝く科学技術者の育成」を基本とし、平成20年度から、大学院教育改革支援プログラム「個性を磨く原子力大学院教育システム−基本コースワークと研究リテラシーの組織的両輪教育−」をはじめました。 この教育改革プログラムでは、個性輝く原子力技術者・科学者を育成するために、原子核工学専攻の学生に対し、原子力特定の分野における知識・技能だけでなく、幅広い原子力分野の基礎的素養の涵養を図り、学際的な原子力分野への対応能力を含めた専門応用能力を養い、また、プロジェクトの企画・マネージメント能力を身につけるために「組織的個人指導」を導入して、「基本コースワーク教育と研究リテラシー教育の両輪教育」を組織的に行います。

  東京工業大学原子核工学専攻の使命は、世界の原子力をリードする個性輝く技術者・研究者の育成です。「学生一人ひとりの個性を磨く」本教育改革支援プログラムがこれからの「世界的な原子力ルネッサンス」に多いに貢献することを願っています。