研究活動

5-3.ホウ酸塩ガラスによるCs、Sr等廃棄物のガラス固化試験(芝浦工大)

研究担当責任者:(再委託先)芝浦工業大学工学部材料工学科准教授 新井 剛
【平成26~27年度】
・ホウ酸ガラスにZn等の元素添加に伴う性状・性能の変化についての調査
→ホウ酸塩ガラスにZrO, TiO, ZnOを添加したホウ酸塩ガラスを作製し、ZnOを添加することで飛躍的にガラスの耐性が向上することが明らかとなった。
・ZnOを添加したホウ酸塩ガラスを用いたCsを吸着したゼオライトのガラス固化の検討
→1100℃以上においてB-0.5Na-0.5Znガラスに対してCs(I)を飽和吸着したmolecular sieves 13x(Cs-13x)が均一に溶融し、Csはポルサイトとして固定化されていることが明らかとなった。
【平成28年度】
・溶融温度によるCs-13xのB-0.5Na-0.5Znガラスへの溶解挙動の検討
→1100 ~1200 ℃において、Cs-13xのB-0.5Na-0.5Znへの溶解が進行した。ガラス固化体試料では、Cs-13xのみでの焼結した場合と比較して低温でポルサイトを形成することが示された。
・Cs-13xを溶解したガラス固化体の熱安定性の検討
→ガラス固化体にすることで900 ℃近傍におけるCsの揮発の抑制が確認された。
・Srを吸着したゼオライトのガラス固化の検討
→B-0.5Na-0.5Znガラスに対してSr(II)を飽和吸着したmolecular sieves 13x(Sr-13x)の溶解は、Cs-13xが顕著であった。
【平成29年度】
・Srを吸着したゼオライトのガラス固化の検討
→Srを飽和吸着させたA型ゼオライト(A-Sr)をホウ酸塩ガラスに10〜80wt%溶解した。10〜40wt%ではガラス化し、それ以上で結晶化することが確認された。
・CaおよびMgを吸着したゼオライトのホウ酸塩ガラスによる固化の検討
→CaおよびMgを吸着したA型ゼオライト(A-Mixture)は、ホウ酸塩ガラスに50wt%までガラス化することが明らかとなり、30wt%充填した固化体の各元素の規格化浸出量は基準値2.0を下回ることが確認された。
【平成30年度】
・Cs,Sr 等を吸着したゼオライトを固定化したホウ酸ガラスの動的浸出挙動の検討
・水相へのホウ酸塩ガラスマトリックス,CsおよびSr等の浸出速度の検討
・結晶化ガラスによるCs,Sr 等を吸着したゼオライトの固定化検討