研究活動

7.デブリ取出時の未臨界確保方策

研究担当責任者:(再委託先)東京都市大学大学院共同原子力専攻/工学部原子力安全工学科教授 高木直行
【平成26~27年度】
燃料デブリの臨界性評価に特有な解析手法とその予測精度検討
・燃料デブリ臨界性評価に特有な課題の抽出
→燃料デブリの空間位置の定め方によって臨界解析結果に差異
・解析方法と臨界性評価結果の相関検討
→水中に粒子状デブリが存在する場合、確率論的形状モデルは現実的なモデルよりも増倍率を過大評価しうる。
・燃料デブリ臨界性予測精度評価と精度改善策の検討
→上記傾向を改善するため、粒子状デブリの水中でのランダム粒子配列を想定し、最近接粒子分布を評価する必要あり。

『デブリ取出時の未臨界確保方策』 -高木直行(2016/1/22 東工大フォーラム)
【平成28年度】
デブリ取出時に想定される種々状況下での臨界性評価
・燃料取り出し作業に伴う、水体積や燃料デブリ組成・形状変化時の臨界性評価
→臨界性を最大にするデブリ粒子径、水燃料体積比を特定。
・燃料デブリ落下時の臨界性評価
→床堆積デブリの臨界性に応じて、未臨界を保持するためのデブリ落下量制限値を決定。
・冷却材流れや作業に伴う粉末状デブリ巻き上げ時の臨界性評価
→デブリ粒子径に応じて、未臨界を保持するためのデブリ巻上げ量制限値を決定。

『デブリ取出時に想定される種々状況下での臨界性評価』-竹澤宏樹・高木直行(2017/1/20 東工大フォーラム)
【平成29年度】
デブリ形態に応じた適切な臨界防止方策の検討
・新たな臨界防止策の提案
→水環境下での燃料デブリ取出し作業を想定し、中空カプセルを用いた臨界防止策の概念を提案。
・中空カプセル仕様検討
→燃料デブリ等に保守的な条件を仮定し、カプセル径や必要数を決定。
→中空カプセルを使用した場合、未臨界を維持可能なデブリ掘削体積は、未使用時の約1.7倍。
→デブリ掘削体積を増加させる工夫として、中空カプセルにGdをコーティングした場合、未使用時の約2.6倍。

『デブリ形態に応じた適切な臨界防止方策の検討』-高木直行・竹澤宏樹(2018/1/10 東工大フォーラム)
【平成30年度】
デブリ取出時の臨界防止方策の有効性評価
・前年度までに検討した燃料デブリの臨界特性を踏まえ、提案された臨界防止方策の有効性評価を行う。
・臨界事故を生じさせることなく安全かつ速やかに溶融燃料デブリを回収する上で必要な中性子工学を基盤とする知見を整理する。

『デブリ取出時の未臨界確保方策--H26-30年の成果概要--』-高木直行・竹澤宏樹(2018/12/26 東工大フォーラム)